僕の声はどうやら人には聞き取りにくい声らしい。
それは自分でもよくわかっていて、舌ったらずでもなければ舌が長いわけでもなく、ただ、声が通らないのだ。
話すときもボソボソとしていて、はっきりと声が通らない。
これは、もちろん、人に伝えようとする努力が欠けているということが大前提にあるのだが、それ以外におそらく骨格の問題があるのだと思う。
そう、顔が長くて、歯がガタガタだからだ。
口を横に開くのがとんでもなく苦手なのだ。
だから自然に笑顔を作るのが難しい。
これは、もうしょうがない。
そのため、人と会話をしていても、「え?」と聞き返されることが多い。
「え?」「え?」「え?」と3回も聞き返されれば、もうげんなりだo(`ω´ )o
ところが面白いことに僕の数少ない親友に話を聞いてみると、どうやらなれるらしい。
だいたい6割がたで話が聞き取れれば、会話には困らないそうだ。まあ、それでも「え?」は繰り返されるのだが……
他にも、滑舌が悪いで有名だった知り合いがオーストラリアに留学にいった話を聞いたことがある。
驚くことに、彼はそこで一回も現地の人に「What??」と聞き返されたことがないんだそうな。
英語という言葉が、生まれ育って培ってきた「日本語」という言語よりも彼の口に合っていたのだ。
これはとても興味深いことだと思う。
もしかしたら、僕も日本語よりもハングルや英語、はたまたロシア語が自分の口に一番合っているのかもしれない。
そういう意味で『滑舌が悪い人』というのは一概に一つのパターンで完結するものではないのかも。
さて、そんな僕でも滑舌や声をよくするために、ふと気づくとトレーニングをしている。
それは表情筋トレーニングであったり、早口言葉だったりする。
僕が一番好きな早口言葉に
「右耳の2ミリ右にミニ右耳」
という早口言葉がある。
もうやばい。想像するだけでオカルト。
そこらの怖い話よりもとんでもなく怖い。
だって、2ミリだよ??近くない??
しかも、横に並んでいたら、隣の耳は「左耳」なわけで、こっち側を向いていることになる。
そう考えてみると、ちょっとロマンチック。肩に顔が載っている形になる。
このロマンチックさと怖さが僕の冷静と情熱の間をくすぶるわけだ。
そして、絶妙に言いにくい早口言葉。クリアするのがめっさ難しいというわけでもない非常にうまい早口言葉だと思う。
つまりはこの文章で何が言いたいかっていうと「伝えることは難しい」ってことだ。