幽体離脱は夢の如し

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霊感というものが全くないと断言している僕でも変なことは体験したことは結構ある。

それを「霊の仕業だ!!」とか「オカルト」にくくりつけるつもりは全くないが、面白い体験だったので今日はそれについて書いていこうと思う。

今回は『幽体離脱』。

幽体離脱とは一体なんなのか??

幽体離脱や金縛りというのは霊を見たことのない人でも体験をしたことがある方は多いのではないだろうか??

どちらも「脳が寝てて体が起きている状態」なんだとか科学の力で解明されつつあるが、実際のところはまだ完全にはよくわかっていないらしい。

まあ、僕は根っからの文系妖怪なので、詳しいことはよくわからん。というか知りたくもない。

面白いか面白くないか、といえば「幽体離脱」や「金縛り」は面白い部類に入ると思う。

ああ、そうそう。妖怪でも幽体離脱になるのだ。驚いたろう??

ということでちょっと、僕の幽体離脱体験を聞いてくれ。

幽体離脱はGANTZのように

それは僕がまだ日本にやってきてすぐの頃。日々、調査のために歩き回っていたので、その日もとても疲れていたのを覚えている。

僕の住んでいた部屋は10階の角部屋。高級ではないぞ。生粋のUR団地だ。

とっても疲れていた僕は風呂に入ることもなく、ほぼ帰ってきたそのままの格好でベッドに倒れこんだ。

みんなもわかるだろうが、とても疲れている時ほど、意外に目は冴えていたりする。その時に確か、寝そうになると目が覚め、また落ちかけるということを繰り返していた。

そして、本当に寝るというところで、なぜか、僕は起きようと思ってしまった。

その瞬間。

本当に体ごと起きたのだ。

 

部屋の中は暗くて、カーテンがしっかりかかっている。ただ、寝るまでに時間がかかったから暗闇には目が慣れていた。

なので、ここが自分の部屋だとわかった。そして直感的に、自分が普通に目が覚めている状態とは少し違うことがわかった。

違和感があるのだ。ふわふわした感じで自分がまるで浮いているような気がする。

そう、実際に自分は浮いていた。

そして、その時、

「これが幽体離脱か(゚O゚)」

と自覚したのをよく覚えている。

今となってはこの「疲れた状態」「寝る起きるの反復運動」が幽体離脱を科学的に証明するためのエッセンスになっている気もするが、まあ、それは置いておこう。

で、その時の自分は冷静だった。

もしも、幽体離脱をしたらしたいことがあったのだ。

それは空を飛ぶこと。

行けるんじゃないだろうか??そう思った。いや確信した。

僕は意を決して、そのままカーテンへと目を向けた。

 

僕の部屋の隣は中学校の校庭だった。
この窓からもし飛ぶことができれば、数百メートル先にある学校の校舎に着地ができるのではないだろうか??

飛んでみよう。

その時、ふと、本当に幽体離脱をしているのか、下で寝ている自分を眺めてみようとも思った。でも、それがなんでだろう、すごく怖かったのだ。見てはいけない。そう思った。

 

 

僕は飛んだ。

飛んで、飛んで、飛んで、飛んで、飛んで、飛んで、飛んで……

 

 

回ることはなく、見事、数百メートルはあろう先にある2階建ての校舎の屋上に着地した。
妖怪オリンピックの幅跳び世界記録を更新したのだ。

 

まさにガンツだ。

これはすごい!!もうひゃっほー気分である。

 

しかし、ここにきて、突然、恐怖がこみ上げてくる。

 

戻れなくなったらどうしよう??

 

そう思うと、すごく怖くなった。

 

そして、僕は心の中で念じた。

 

戻れ。俺!!!

 

その瞬間、体がまるで折った下敷きに映った自分のようにビヨーンと伸びながら、するするーっと自分の目指す部屋の方へ高速で戻っていった。

そしてビュルルンと、部屋の中にいる荒鷹らしき人間の尻の中に入り込むように体が一体化した。

その後、特に夢を見ることもなく朝を迎えたのだった。

うーむ、奇妙なり。

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