高架下で出会った視線

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荒鷹嶺犬の怪談シリーズ第二弾。

今回は知り合いの知り合いが体験した話。都市伝説ではないぞ。

第一弾に続いて、電車関連の話にしよう。

ふと気づく視線の正体

これはとある中年の女性に聞いた話。

彼女がまだ学生だった頃。ということは今から30年近く前になるかもしれない。

その時、彼女は横浜に住んでいた。

ある日の夜、友達と遊んだ帰り、彼女は一人で今の桜木町駅のあたり歩いていたそうだ。
今でこそ、桜木町はランドマークやら赤レンガなどの日本有数のデートスポットになっているが、当時はおそらくそこまでシャレオツな感じではなかっただろう。よく知らないが。

 

なので、今のように高層ビルなど経っておらず、意外に寂れていたのかもしれない。
近くに黄金町などもあるので、もしかすると下町感がもっと合ったかも……

 

よく知らないが。

 

 

桜木町近辺に詳しい方ならわかる通り、桜木町は野毛に通じる下町側とランドマークに続く海側リッチ方面に分かれている。

彼女が歩いていたのは野毛方面の大通りだった。横浜市営バスが通っている方だな。今はないけど、スプレーアートで埋め尽くされたあの有名な芸術の壁沿いだ。

 

紅葉坂の方へと帰路についていたわけだが、ふと電車が高架を走ってくる音が聞こえた。
(どうやらこの頃から桜木町は高架に電車が走っていたらしい)

 

「ああ、電車がきたんだな」

 

彼女はなんとなしに思った。

そして、なんとなしにそちらの方向を向いた。

 

いくら、停車のために低速している電車とはいえ、窓越しに見える人は一瞬。

その一瞬で彼女は固まってしまった。

 

ふと、見上げたその電車の窓から、

 

 

自分がこちらを見ていたのだった。

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